Tuesday, April 25, 2006

週末の読書

先週末に、半分くらい読んだまま2年くらい放置してあったハインラインの『愛に時間を』をようやく読了。
序盤を過ぎたあたりからの回想が退屈になって止まっていたのですが、ドーラの話から一気に盛り上がって最後まで突っ走りました。単行本だとかなりの厚さになるので、いっきに結構な量を読んだと満足していたのですが、文庫で1冊半くらいなので大したことなくてがっくり。
各章のタイトルが示す通り(なのか?)わりと話は同じことの繰り返しで、本の厚さも手伝ってラザルス・ロングの人生の長さが実感させられます。たしかに生きる気力も失せちゃう気持ちがわかるのです。ストーリーはともかくこの長さこそがこの本のミソなんだろうなあ。(笑)面白いことは間違いないです。

でも疲れちゃうので(笑)合間に『朝びらき丸東の海へ』を終えました。原書だと遅々として進まないので、訳本で読むことにしました。英語の方は後追いで辞書をひきながらゆっくり読みます。;-)
ここに来て一気に世界観が広がったように思います。僕は「地の果てをめざす=世界の果てを目指す=神の国を目指す」ストーリーが大好きなのでこれまでで一番面白かった。正直なところ前二作でなんとなく物足りなさを感じていたのですが、いっぺんに解消されました。

トールキンにしても、本当に面白さを感じてきたのは『追補編』が読めるようになってからです。追補編に織り込まれた『指輪物語』の背景が、直接見えない部分への興味をかき立てるようになりました。

これからナルニアを読み進めていくのがずっと楽しみになりました。

Monday, April 17, 2006

カスピ案、もといカスピアン

Prince Caspianを読み終わりました。

進むにつれて苦しくなってきたので原書と訳書を交互に読み進めました。どうも会話が続くと意味をつかみづらいような気がするなあ。今回はちと苦しかった。

さて主人公のCaspian王子ですが、全然活躍しないじゃないの。(笑)
最後のお手柄はHigh King Peterに持ってかれちゃうし。(危ないところだったけど)
つのぶえ吹く以外になにもしてないよねえ。存在というか血筋というか、そういうものに価値があるみたい。

それでなきゃあれか、あまり詳しく書き込まれていないところで活躍したんだろうな。

4人の兄弟が魔女を打ち負かしたときにも感じたのだけれども、戦闘シーンについてはそれほど詳しく書き込まれていない印象が強い。Prince Caspianだって、かなりの戦闘でぎりぎりのところで角笛を吹いたわけだし、吹いたってなかなか助けは来ないしでえらい苦労はあったんだろうな、と思う。
言葉は悪いがCaspianの苦労やぶりや追いつめられたNikaBrikの行動から想像するに、Aslan's Hawの周りは死屍累々だったのではなかったのだろうか。そんな状況でOld Narniansの王として果たした活躍は、さぞ凄惨で、かつ輝かしいものだったんではないだろうか。それが後になってのPeterに"I mean, we have seen that you are a kind and a warrior but hi thinks of you as a kid."「あんたは優しくて強い戦士だけど、Mirazからみたらガキンチョなんだよね」といわしめたわけだ。

しかしストーリの中では戦の手柄についてはあまり触れられていないから、この辺の言葉の重みがあまり感じられないのだ。最後の一騎打ちに向かって、指輪物語にあるような重圧は感じないし(あっちは暗すぎるるけど)、ホビットの五軍の戦いのような戦いのシーンの展開のダイナミックさもない。子供を意識しているから仕方ないのだろうけれども、ちょっぴり物足りなさを感じたというのが本当のところ。
それなのにNikaBrikの裏切りを成敗するシーンでは、それなりにきちっと「殺すこと」が描かれている。自分の中ではあのシーンが際立って見えるのだ。

うーん。
どうもストーリーの消化不良を起こしているのは、原文の読解力が不足しているせいなのだろうか。まだまだトレーニングを積まなきゃ楽しめないなあ。

Thursday, April 13, 2006

散らし読み

ナルニア国フィールドガイド』をいただいた。ナルニアを一通り知っている人が読むものなので、がんばってナルニアを読み進む。頑張って読んでいたら、Prince CaspianをPrince Caspitanと勘違いしていることに気がつく。カスピアンだよ、カスピタンじゃないよ。(笑)

渋谷で2,3時間暇をつぶす必要があったので、パルコの下の本屋にいって立ち読み。旧Parco Book Center時代は在庫が豊富だったのでよく使ってました。一回改装して雑誌みたいのしかおかなくなっちゃったので残念におもっていたら、いつのまにかBooks Libroとして改めてオープンしていました。Book Firstもいいんだけどね、わりかし品揃えが好みなのでまたこっちを活用することにしよっと。

せっかく時間があったので、津川雅彦が監督するので気になっていた『寝ずの番』を立ち読みしました。面白い(笑)。映画にしやすそうな話だなあ。

続けてぶらぶらしていたら『ちびくろ・さんぼ2』をみつけました!2巻があったのか。はなしはあんまり面白くなくて、さんぼが小さな兄弟を助ける話。てっきりいたずらお猿がバターだかバナナにでもされちゃうのかと期待したんですが、わりと当たり前のエンディングでちょっと残念。

さらにぶらついたら大好きな倉橋由美子の訳で宝島者(!?)から『星の王子さま』が出ていたので読んでみました。小さい頃から親しんできたのは岩波の王子さまなのですが、改めて比べてみると、全体的に倉橋由美子らしいクールな印象です。あとがきを読んだらなんでかわかりました。どの解説本でも触れられているポイントですが、キツネと「なかよくなる」という部分の解釈がとても倉橋由美子らしい。どっちの訳も好きだな。

調べてみたら王子さまの訳ってこんなにバリエーションがあるんですね。

集英社:池沢 夏樹
岩波書店:内藤 濯(「オリジナル版」と言う副題に力を感じます)
みすず書房:山崎 庸一郎(こちらは『小さな王子さま』)
宝島者:倉橋由美子(新訳と銘打ってあります)
新潮文庫:河野 万里子
筑摩書房:石井 洋二郎
中央公論社:小島 俊明

おまけ
コアマガジン:辛酸なめ子(笑)

8種類もあるのか...

チャレンジしているスペイン語版"El Principito"もなんとか読み進めたいなあ。

あとは一通り店内を巡って、待ち合わせの場所へ。
こっそり啓文堂書店に寄り道してからいきました。
いい加減にしろって。(笑)

Friday, April 07, 2006

ナルニアの読み順2

Prince Caspitanを着々と読み進める。
やっぱりThe Lion, the Witch and the Wardrobeの続きだなあ。そういう出だしになっているよ。

で、The Magician's Nephewを先に読むかどうか、読み順の話ななのだけど、SSSという団体の書評にちらっと書いてあった。

ふーんなるほど。
英語版は著者の希望を尊重しているってことなのね。でもこういうのは書いた順に読むのが面白いよなあ。書いた時期が長かったり錯綜しているとなんとも言えないけど、公に発表された順に読んでからさかのぼった方が面白いよ、きっと。だってThe Lord of the Rings読む前にSilmarillion読んでもさっぱり面白くないでしょう?

今ちょっとだけ後悔しているのは、先にHobbitを読んでおかなかったことかな。

Sunday, April 02, 2006

ナルニア順

岩波のナルニアは作品が発表された順に並んでいます。しかしストーリーの年代は発表順と一致していないことが、『ライオンと魔女』の訳者あとがきで説明されています。で、やっぱり発表順に読んだ方が面白いよ、とも言っているのですが、例のAmazonおすすめのセット本を開いたら歴史順になってました。


1. The Magician's Nephew
2. The Lion, the Witch and the Wardrobe
3. The Horse and His Boy
4. Prince Caspian
5. The Voyage of the Dawn Treasure
6. The Silvair Chair
7. The Last Battle


頭っから執筆順になっていると思っていたので、ちょっとぎょっとしました。
しかし、同じHarpercollins豪華版のレビューによると、

魅力的な7編の物語が、ルイスが読んでほしいと考えた順番どおりに並んでいる

とのこと。廉価版も普通版も豪華版もみんな同順にならんでいるので、この説明は他にもあてはまります。
あれれ?ほんとかな?
映画もThe Lion, the Witch and the Wardrobeから始められていますし、一般的な「ナルニア順」って一体どうなっているのかな?

映画化の順番決定のプロセスと、ルイスのその発言が一体どこにあったのか調べてみることにします。