Friday, September 22, 2006

A Reader's Companion

『THE LORD OF THE RINGS A READER'S COMPANION』(amazon)というのがあります。The History of the MIddle-earthを本編に沿ってまとめたリファレンスのような内容になっています。HOMを読むのは面倒だと言う人には必須の一冊です。基本的に指輪に関することしか載っていませんから詳しいことはやっぱりHOMを読まなくちゃだめなんですけど。
写真ではわかりづらいですが、本編とHOMのリファレンスがずーっとのっているのでかなりの厚みです。894ページあります。辞書と十分に張り合える、というかほとんど辞書みたいなもんですね。

指輪物語のお好きな方は是非お手元に置いておくとうれしい一冊です。

Tuesday, September 19, 2006

Elric Saga

久々にここらしいものをば。

前に書いたような木もするのですが、ここしばらく続いていたエルリックサーガの新訳がひととおり出そろいました。いままで読んだことのない短・中編があったのでそこから読み進め、新訳部分も少しだけ読みました。
以前の訳のものは遠くの倉庫にしまってあって比較できないのが惜しい。全体的な印象としてすっきりと読みやすくなりました。中学生の頃はじめて読んだときは、もっとダークな殺伐としたイメージがあったのですが、それが薄れた感じがします。これは年を重ねて繰り返し読んだから印象が変わってしまったのかな。
あとはオリジナルテキストで雰囲気を味わいたいな。

さらに先週末のビッグイベントと言えばSTAR WARS Epsode IV, V, VIの限定版の発売です。劇場公開版と特別編がセットで3,000円弱はお得です。家にあるのは劇場公開版のLDで、映像がテレビサイズにカットされているのがすごく不満でした。これで解消。
ちなみにすごいのは劇場公開版の日本語字幕にも「劇場公開版」があること。訳もちゃくちゃくと修正しているのですねえ。
そういえばLord of the RingsのDVD版も訳が修正されていたように思います。

ところでふるほん文庫やさん「絶版・品切れ文庫 ベストセレクション1万冊フェア」。ぼくにはつまらなかったです。
値段設定がどうも...。480、880、1,080、1,280円のステップでかなり機械的に値を付けているのが見て取れて古本屋の良心(ないし悪意)を感じることができませんでした。(不思議と580、780、880を目にした記憶がない)
いくつかこれは!と思うものがないではなかったのですが、値段と折り合いがつかず、うーん。状態が悪いのはしかたないけど。期待していったのにガックリ。
これなら古書街を練り歩いたほうが楽しいし効率がよいです。神保町まで行かなくても渋谷古書センターはなかなか意外な品揃えがあって楽しいお店です。

Saturday, September 16, 2006

ラテンアメリカ文学

Universidad de Salamancaの"Leer en Espanol"シリーズを読んでいますが、スペインの大学のの出版物なのでベースになっているのはいずれもスペインの文学です。

でも日本に紹介されているスペイン語圏の文学作品はほとんどがラテンアメリカ文学で、スペイン文学になるとDon Quijoteとか古典になっちゃいます。最近は黄色い雨がちょっと話題になったみたいですけどあんまり一般的ではありません。それに比べてラテンアメリカになるとガルシア=マルケスの百年の孤独だとか、新しいところでバルガス=リョサのフリアとシナリオライターなんて話題の作品があります。(まだ手を付け得られていないけど)
百年の孤独については寺山修司が戯曲化しているので(すごく若い人はともかく)、「あ、あれか!」なんて思うんじゃないでしょうか。

写真の本はペルーを代表する作家アルゲダスの短編集です。読み進めて行くと、あたりにアンデス山脈のイメージが広がって、登場人物の汗のにおいまで伝わってくるようです。なにかに飲み込まれてしまうような、あるいはすがすがしいとも言える奇妙な気持ちになります。いったいペルーとはどんな国なんだろうか、自分の目と肌で確かめたくなります。僕の触れたラテンアメリカ文学は、どれも土と空気のにおいがします。
ガルシア=マルケスの予告された殺人の記録なんて汗で身体にまとわりつくシャツを感じてしまって、読んでいる間ずっと不快感を感じたくらいです。X-(

もっとスペイン語のトレーニングを続けて、早くアルゲダスやガルシア=マルケス、バルガス=リョサの原文に触れてみたいとやきもきしています。

翻訳者の杉山晃先生のBlog(una y otora cosa)ではテキストと翻訳を織り交ぜてラテンアメリカ文学を紹介されています。ものすごく面白いので、興味がある方は是非一度訪れてみてください。

Thursday, September 14, 2006

中国歴史もの

反三国志。

一体何が「反」なのか。「三国志演義」に対して反なのだそうです。
気持ちがいいくらい劉備が勝ちまくります。吉川英治やその他のメジャーどころの三国志のみじめな姿はみられません。

でもこの本、所謂三国志演義の講談風に書き進められていて、ところどころで演義との比較をおもしろおかしく指摘してくれます。一回は三国志を読んだことがあるひとは、面白いんじゃないかなあ。

長いのを読むのが面倒な人は、陳舜臣の「小説十八史略」の三巻の終わりから四巻の冒頭にかけて三国時代について扱っているのでさっくりいわゆる「正史」を追うことができます。陳舜臣のが呂布やら曹操にいわせる「この大耳やろうが!」ってのが爆笑もんです。

ちなみにこの反三国志には安能務の三国志演義とセットで読むのがぴったりです。
#吉川英治の三国志はどうもつまらん。