Saturday, January 07, 2006

よみかた

読み方をずっと悩んでいる。

【症状】
高校生の頃からずっと「中つ国」を「なかつこく」と読んでしまう。
【処方】
某所で日本神話の「上つ国」「中つ国」「下つ国」に基づく訳語であるとご教示いただき、激しく納得。
【状態】
完治。

【症状】
ゴラムをどうしてもゴクリと言ってしまう。
【処方】
ひたすら原書に目を通し、さすがにGollumをゴクリと読めなくなるに至る。また、映画のせいでだれもゴクリと言わなくなってしまい、寂しい思いをした。字幕にゴクリと書いて欲しかった。
【状態】
条件付きで回復。

【症状】
Silmarillionをどう読んだら良いかわからない。
【処方】
『トールキン神話の世界』に「シルマリリオン」と記載されており、シルマリルリオンでないと知る。しかし同書にはGollumをゴルムとも記載されているため、実際どうなのかよくわからない。ちなみにググると「シルマリリオン」で391件、「シルマリルリオン」で835件ヒットする。
【状態】
治療中。

うーん...。

読む、読む、読む

ひたすら読む。

読む、読む、読む。Wizard of Earthseaを読む。って、やっぱりトールキンじゃないのかよっ!

いや他にもちゃんと読みました、『トールキン神話の世界』(赤井敏夫著)。復刊.comで購入手続きしておいたのが年末に届いたので、じっくり読ませていただきまいした。

いやはや、面白い。
History of Middle-Earthを拾い読みしていると、全体像がよくわからなくなるのですが、さすがに研究者の手にかかるとなぜChristopherがあんなに細かく異稿を調べているのかがよくわかります。今までは「あらー、フロドってビンゴだかブンゴだかおかしな名前してたんだなあ、アハハ。」なんて気楽に流していたんですが、いかにトールキンが苦しんで指輪物語を書き進めていったかがわかります。ビンゴのまんまモリアまで書き進めたってのに、全部破棄しちゃうんですからすごい。

なによりもこの論文を読むと、『ホビット』『指輪物語』『シルマリルの物語』がより有機的に繋がって読めて来ます。だいたいHoMを手にする人ってのは、未発表作品を読みたいだけの気持ちの人が少なくないと思うのですが、なぜ未発表なのかがちゃんとわかるようになります。
トールキンが書こうとした世界を離れた一から眺めることができるのがこの本のミソなので、ただ中つ国の世界に没頭したいという人は読まない方がいいかもしれないなあ。

欲しい人は復刊.comで検索してみましょう。