Friday, November 24, 2006

ピアノの奏法

井上直之『ピアノの奏法 音楽を表現する喜び』を読む。ずーっと前から持っていたのに数頁よんだだけでそのままになっていました。以前読んだときはどうもしっくりこなかったのに、今読んだらすごく面白かった。優しく言ってますが、けっこう難しいこといってます。ほんの中で井上氏がピアノを弾いて「音が違うでしょう」とかいうんですが、活字なのでわからん!(笑)CDつけるほどでもないですしねえ。あとがきにもありますが音楽のことを本にするのは難しいんですね。

手塚治虫の絶筆となった『ルードウィッヒB』では、作品中音楽がすばらしく表現されています。もちろn原曲をしらなきゃわかんないんですが、曲の色とか雰囲気はよくわかります。その辺はさすが巨匠です。のだめは大好きだけど音楽そのものよりも人に焦点があたってますしね、そのへんはやっぱり聴いたことがないとわからない。(聴きたくなるけど)

ピアノの技法』という本があります。いまはもう絶版なのかけっこう古い本なんですが、大人になってピアノを弾くってことについて教えてくれます。技術や練習方法についての記述も多いのですが、なによりどんな曲を選択するのか、練習する時間はどうやって捻出できるのかついて深い影響を受けました。

近頃はあらためて『ハノン』と『リトルピシュナ』でトレーニングを重ね、ユビキンが鍛えられつつあります。練習を重ねるごとにこれまで敬遠して来たバッハに取りかかることができそうです。誰かがバッハの良さは30歳になってからわかると言ってましたが、なるほどその通りのようです。

ピアノの基礎技術の練習はまるで体育会系です。

Thursday, October 12, 2006

The Children of Hurin

各所で来春トールキンの未発表作が、例によってクリストファーの編集で発表されることが報道されていました。(気がつくの遅い...)

Unfinished Tolkien work to be published in '07
Son completes unfinished Tolkien
等々。

しかしBBCに「Extracts from The Children of Hurin have been published before.」とあります。あれれ?全く新しいのじゃないの?ってかあれだ、「ナルン・イ・ヒーン・フーリン」だ。
つらくて哀しい話しなんだよなあ。読むたびに鬱になるけどそこが好きです。(笑)

あらら、もうAmazonで注文できるのだ。
ポチッとな。(ぉ

Thursday, October 05, 2006

4 for 3 ストア by Amazon

Amazonで「4 for 3 ストア(このリンクで大丈夫かな?)」をやっている。(2006年10月5日現在)

オーディオ・ブック」「子どもの本」「ビジュアル・ブック」 の中から、対象商品を4冊買うと1冊が無料に!「4 for 3」ストア内のどの4冊を組み合わせても、一番安い1冊が無料になります。今すぐ、チェック!
(Amazonの4 for 3ストアの紹介文より)

最大25%割引というわけで、なかなか馬鹿にできない割引です。

しかしなんですな、あんまり欲しくないカテゴリなのが残念なところです。
どっかの洋書バーゲンとおなじにおいひを感じます...。

Friday, September 22, 2006

A Reader's Companion

『THE LORD OF THE RINGS A READER'S COMPANION』(amazon)というのがあります。The History of the MIddle-earthを本編に沿ってまとめたリファレンスのような内容になっています。HOMを読むのは面倒だと言う人には必須の一冊です。基本的に指輪に関することしか載っていませんから詳しいことはやっぱりHOMを読まなくちゃだめなんですけど。
写真ではわかりづらいですが、本編とHOMのリファレンスがずーっとのっているのでかなりの厚みです。894ページあります。辞書と十分に張り合える、というかほとんど辞書みたいなもんですね。

指輪物語のお好きな方は是非お手元に置いておくとうれしい一冊です。

Tuesday, September 19, 2006

Elric Saga

久々にここらしいものをば。

前に書いたような木もするのですが、ここしばらく続いていたエルリックサーガの新訳がひととおり出そろいました。いままで読んだことのない短・中編があったのでそこから読み進め、新訳部分も少しだけ読みました。
以前の訳のものは遠くの倉庫にしまってあって比較できないのが惜しい。全体的な印象としてすっきりと読みやすくなりました。中学生の頃はじめて読んだときは、もっとダークな殺伐としたイメージがあったのですが、それが薄れた感じがします。これは年を重ねて繰り返し読んだから印象が変わってしまったのかな。
あとはオリジナルテキストで雰囲気を味わいたいな。

さらに先週末のビッグイベントと言えばSTAR WARS Epsode IV, V, VIの限定版の発売です。劇場公開版と特別編がセットで3,000円弱はお得です。家にあるのは劇場公開版のLDで、映像がテレビサイズにカットされているのがすごく不満でした。これで解消。
ちなみにすごいのは劇場公開版の日本語字幕にも「劇場公開版」があること。訳もちゃくちゃくと修正しているのですねえ。
そういえばLord of the RingsのDVD版も訳が修正されていたように思います。

ところでふるほん文庫やさん「絶版・品切れ文庫 ベストセレクション1万冊フェア」。ぼくにはつまらなかったです。
値段設定がどうも...。480、880、1,080、1,280円のステップでかなり機械的に値を付けているのが見て取れて古本屋の良心(ないし悪意)を感じることができませんでした。(不思議と580、780、880を目にした記憶がない)
いくつかこれは!と思うものがないではなかったのですが、値段と折り合いがつかず、うーん。状態が悪いのはしかたないけど。期待していったのにガックリ。
これなら古書街を練り歩いたほうが楽しいし効率がよいです。神保町まで行かなくても渋谷古書センターはなかなか意外な品揃えがあって楽しいお店です。

Saturday, September 16, 2006

ラテンアメリカ文学

Universidad de Salamancaの"Leer en Espanol"シリーズを読んでいますが、スペインの大学のの出版物なのでベースになっているのはいずれもスペインの文学です。

でも日本に紹介されているスペイン語圏の文学作品はほとんどがラテンアメリカ文学で、スペイン文学になるとDon Quijoteとか古典になっちゃいます。最近は黄色い雨がちょっと話題になったみたいですけどあんまり一般的ではありません。それに比べてラテンアメリカになるとガルシア=マルケスの百年の孤独だとか、新しいところでバルガス=リョサのフリアとシナリオライターなんて話題の作品があります。(まだ手を付け得られていないけど)
百年の孤独については寺山修司が戯曲化しているので(すごく若い人はともかく)、「あ、あれか!」なんて思うんじゃないでしょうか。

写真の本はペルーを代表する作家アルゲダスの短編集です。読み進めて行くと、あたりにアンデス山脈のイメージが広がって、登場人物の汗のにおいまで伝わってくるようです。なにかに飲み込まれてしまうような、あるいはすがすがしいとも言える奇妙な気持ちになります。いったいペルーとはどんな国なんだろうか、自分の目と肌で確かめたくなります。僕の触れたラテンアメリカ文学は、どれも土と空気のにおいがします。
ガルシア=マルケスの予告された殺人の記録なんて汗で身体にまとわりつくシャツを感じてしまって、読んでいる間ずっと不快感を感じたくらいです。X-(

もっとスペイン語のトレーニングを続けて、早くアルゲダスやガルシア=マルケス、バルガス=リョサの原文に触れてみたいとやきもきしています。

翻訳者の杉山晃先生のBlog(una y otora cosa)ではテキストと翻訳を織り交ぜてラテンアメリカ文学を紹介されています。ものすごく面白いので、興味がある方は是非一度訪れてみてください。

Thursday, September 14, 2006

中国歴史もの

反三国志。

一体何が「反」なのか。「三国志演義」に対して反なのだそうです。
気持ちがいいくらい劉備が勝ちまくります。吉川英治やその他のメジャーどころの三国志のみじめな姿はみられません。

でもこの本、所謂三国志演義の講談風に書き進められていて、ところどころで演義との比較をおもしろおかしく指摘してくれます。一回は三国志を読んだことがあるひとは、面白いんじゃないかなあ。

長いのを読むのが面倒な人は、陳舜臣の「小説十八史略」の三巻の終わりから四巻の冒頭にかけて三国時代について扱っているのでさっくりいわゆる「正史」を追うことができます。陳舜臣のが呂布やら曹操にいわせる「この大耳やろうが!」ってのが爆笑もんです。

ちなみにこの反三国志には安能務の三国志演義とセットで読むのがぴったりです。
#吉川英治の三国志はどうもつまらん。